A.いいえ
以前の、平成中期ごろまでのタクシーは「最後に行き着く場所」のようなイメージが強く、接客やサービス提供よりは運転することが中心に置かれている仕事でした。つまり、車が運転できれば誰にでもできる仕事という位置づけだったのです。社会のセーフティネットのように扱われているところもあったと思います。時代は変わり、今のタクシーは高い接客品質が要求される、接客業としての地位を確立したと言って良いでしょう。例えば、平成中期のタクシーはお客様への返事が「はい」や「わかりました」でした。それでも、敬語らしき者を使えるというだけでも問題はなかったのです。私がタクシーに乗務していたのは10 年以上前になりますが、当時、お客様をお乗せした時のご挨拶は「どうぞ」でした。今こんな挨拶の仕方をしたら、おそらく苦情になりますね。
求められる遵法精神
タクシーは一人で運転をして乗務しますから高い遵法精神が求められます。道交法はもちろん、さまざまな法律、ルール、これらをしっかり守る(誰も見ていなくてもです)精神性が強く求められます。例えば弊社、毎日タクシーでは業務を終えて会社に戻ってくる時間(帰庫時間といいます)について非常に口煩く注意指導をしています。これは乗務員さんの「稼ぎたい」「もっと頑張りたい」という気持ちに水を差す内容です。それでも、毎日タクシーでは安全最優先主義の一つの表現として帰庫時間についてしつこく、うるさく注意指導をしているのです。これもルールです。守らなくて良いものではなく、毎日タクシーの社員全員が守らなければならないものです。このルールを「稼いでくれば関係ない」と言ってお守りいただけない方は少なくとも弊社、毎日タクシーの社員は務まりません(そもそも採用しませんが)。少し極端なルールを例に挙げましたが、どのようなルールにしても、守らなくて良いというものはありません。冒頭あげた接客も、今は非常に厳格なマニュアルがあります。これもまたしっかり守らなければいけない取り決め。決められた用語で、提供を約束している品質を提供する。運転をするだけではない、接客業であるタクシーが決して「運転さえできれば誰でもできる仕事ではない」ということがお分かりいただけたものと思います。決められているから守るのだ、としっかり対応できる、というのはタクシーの適正として極めて重要と言えるでしょう。
